学校生活について

寝食を共にすることで育まれる安全の絆

◆全寮生活の意義◆

 航空大学校の生活は、入学から卒業までの全期間にわたり全員が学生寮での生活を送ることになります。各部屋には2人が居住し、女子学生用の部屋も設けられています。
こうした寮生活はトレーニングの効率を上げることが最大の目的でありますが、副次的に将来のエアラインをになうパイロット同士の強固な人間関係がはぐくまれ、またコクピットにおけるクルー・コーディネーションの素地となる協調性などが養われるといったメリットもあります。
 
 厳しいトレーニングを乗り切ることができるかどうかは、最終的には各学生の努力にかかわってくるわけですが、そこではチームとしての協力関係が不可欠となります。
 
 また同期生同士のヨコのつながりだけでなく、先輩後輩のタテのつながりが強いのも航空大学校の特色といえます。たとえば宮崎キャンパスでは厳しい訓練の合間に後輩である学科課程の学生が、フライト学生の先輩とともにスポーツを行ったり、旅行に出かけたりして交流を深めています。
 なによりも空という未知の世界に踏み出すにあたって、少しずつ先をゆく先輩学生のアドバイスが受けられるのは心強いといえますし、またこうして培われた人間関係はエアラインに就職してからも続き、就職時の相談相手としても頼もしいものがあります。

◆厳しいからこそやりがいがある◆

 航空大学校の学生は卒業するまでに学科および実地において数多くの試験、チェックにパスしなければなりません。こうした学内のチェックと並行して、事業用操縦士および計器飛行証明等の学科試験が求められます。こうした厳しい試験に耐えるためにも、学生は自主的に予習・復習を欠かすことができないというのが現実です。

 たとえば寮の部屋には、どこにも原寸代のコクピット計器配置図が張られています。これはフライトシュミレーターならぬカミ(紙)レーターと呼ばれ、誰もが時間ができればこの前に座り、紙の上の計器を読み、スイッチやレバーの操作をイメージする自己学習の姿がよく見られます。
 飛行機の操縦には、常に迅速な判断力と操作とが要求されます。そのときになって計器やスイッチの場所を捜しているようではとてもパイロットとはいえません。そこで、こうしたイメージフライトを繰り返し、頭だけでなく体がすべてをマスターしたとき、飛行機がはじめて自分の一部のようにコントロールできるようになります。カミレーターは、そのための最も簡単で、また効果的な訓練アイテムです。

 このように航空大学校での生活や規律は、一般大学で学生に求められるものよりもはるかに厳しいといえるかもしれません。しかしこうした厳しさは、すべてプロフェッショナル・パイロットという目標を実現するためだけにあります。

 こうした試練に自ら耐えた者こそが、真にコクピットに就くにふさわしい人材となりえます。


前ページへ戻る
直線上に配置